大社・神宮・神社
お社の呼び名には「〇〇大社」・「〇〇神宮」・「〇〇宮」・「〇〇神社」と幾つかの呼び名があります。
Wikipedia 等には詳しい社格制度及び呼び名解説がありますが、現在は社格制度が廃止されているため旧社格制度と呼び名の関係を簡単に記します。
所説ありますが一般的には下記のように区別することができます。
[[[ 大社 ]]]
元々は出雲大社のみに使われる呼び名でした。
その後19世紀末頃から全国に多数ある同系列の神社を統括する総本山のお社も「大社」と称するようになりました。(「春日大社」:約1千社ある春日神社を統括・「諏訪大社」:約2万5千社ある諏訪神社を統括・「伏見稲荷大社」:約3万社ある稲荷神社を統括 等)
[[[ 神宮 ]]]
歴代天皇や皇族の祖先神、祖先神の命を受け日本建国に挺身された方等を御祭神としています。(明治神宮・香取神宮・鹿島神宮 等)
[[[ 宮 ]]]
親王(天皇家の男子)を御祭神としています。
また、歴史上の重要な人物を御祭神としたお社にも「宮」がついています。(「東照宮」:徳川家康・「天満宮」:菅原道真 等)
[[[ 神社 ]]]
その他のお社を「神社」と称します。
また、「神社」も「府社」・「県社」・「藩社」、「郷社」、「村社」に分かれます。但し、これは戦前の社格区分ですが現在でも「旧府社」・「旧県社」・「旧藩社」、「旧郷社」、「旧村社」と表記しているところもあります。
・府社:旧東京府・大阪府・京都府より奉幣を受けた神社
・県社:北海道及び県より奉幣を受けた神社
・藩社:旧藩より奉幣を受けた神社
・郷社:市から奉幣を受けた神社
・村社:町・村から奉幣を受けた神社
※奉幣:捧げ物
お社を格付けする事は大変失礼なことですが敢えて格付けしますと以下のような感じになります。
別格.伊勢神宮
別格.出雲大社
1.大社(春日大社・諏訪大社・伏見稲荷大社 等の出雲大社以外)
1.神宮(明治神宮・香取神宮・鹿島神宮 等の伊勢神宮以外)
3.宮 (日光東照宮・太宰府天満宮 等)
4.神社(府社・県社・藩社)
5.神社(郷社)
6.神社(村社)
となります。
日本書記には出雲大神宮(現出雲大社)・伊勢神宮・石上神宮の3社が神宮と記載されています。
延長5年(927年)にまとめられた「延喜式神名帳」に当時「官社」(朝廷から奉幣を支弁される神社)に指定されていた全国の神社一覧が記してあります。
この中に出雲大社は記されていて古代朝廷では最高位のお社とされていました。
また、香取神宮・鹿島神宮が神宮に追加されています。
永保元年(1081年)に制度として確立した「二十二社」では伊勢神宮が最高位のお社として記してあります。
古文書には伊勢神宮、出雲大社は別格神社と記してあるものもあります。
上記のことにより出雲大社と伊勢神宮は別格で上下を付ける事はできません。
しかし、神社本庁によりますと伊勢神宮が最高位のお社とされていますが、これは出雲大社が神社本庁に属していないためです。
上記以外に大神宮と名の付く神社もありますが神社の社格では無く「〇〇(地名)の伊勢様」と言われ各地方の伊勢神宮の分社的神社であったり、伊勢神宮と同じ御祭神(天照大御神)をお祀りしている神社です。
上記の内容はあくまでも一説であり現在は社各制度はありませんので上記に当てはまらない神社もあります。